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気になる男

08-20,2013

 また一人、気になるギタリストが出来た。
イスラエル人ギタリスト Rotem Sivanと云う人だ。
6月に、steeple chaseから出た、この男のデビューアルバムが、かなり良いのだ!

130816-1.jpg

Rotem Sivan /  enchanted sun (2012年録音)
本人のギターに、Sam Anning(b) Rajiv Jayawera(ds)と云うトリオ。
全員聞いたこと無い人達だが、youtubeとかで見ると、皆若い。
リーダーのロテム君も、ジャケ写見ると髪は薄いし、神経質そうな顔してるが、
広ぉ~い額にも皺ひとつ無くツルツルしてるし、
実は、わしが思ってるより、かなり若いんじゃないか?
外人の年齢は、よう分からんしな。
ま、別にどうでもいいけど。

ええっと、スタイルとしては、所謂パットメセニー辺りからの流れから来る、
コンテンポラリージャズギタリストの系統に入る人だろう。
しかし、よく聴くと、これ又他のギタリストとは少し違う特徴を持っていて面白い。

基本は、Lage Lund やMike Moreno 同郷の Gilad Hekselman系の
「わし、静かに燃えてます」って感じのクールなスタイルなんだけど、
この男の場合、そのクールさがハンパない。
もう、クール通り越して、「わし、一切燃えません」って言ってる感じさえする。
まぁ、とにかく、弾かないのだ。
いや、そう云う言い方は、おかしいな。
弾くには弾いてるんだけど、ホントはもっと弾けるくせに、
あえてちょこっとだけ弾くって感じで焦らすのだ。
聴いてて「痒い所に1センチだけ届かない!」
「もっと力強く掻きむしって欲しいのに、何故か撫でる様に優しく掻く」的な、
焦らされ感が、ハンパないのだ。
しかし、何故かそれがいい!
気が付くと、それにむちゃくちゃハマっている!

さぁ、1曲目!
どこかメセニーを彷彿とさせるメロディックなオリジナルから、早速この焦らしプレーが始まる。
メインテーマが終わると、なんと初っ端からベースソロだ。
「さぁ、ギターのソロが始まるぞ!」と思ったら、いきなり肩透かしされた様なもんだ。
「焦らすなぁ!おい!自身のデビューアルバムの冒頭からこれかよ!」とか思って聴いてると、
このベースが中々いい!
「おお、こりゃ儲けもんじゃん!」と云う事で気分を持ち直す。
そして、肝心のギター。
まず、粒立ちの良い、暖かいサウンドが素晴らしい!
ギターは、ギラッド・へクセルマンと同じギブソンのハワードロバーツカスタム。
ギラッドもいい音出してたが、このヘンテコギター侮れんぞ!
中古でも見る事は殆ど無いと思うが、一体幾らくらいなんだろう?
ちょっと欲しくなってきたな。
但し、買う金は無いが。

プレイの方は、右手の人差し指と親指でピックを持ち、
その他の指で、コードを爪弾きながら弾くと云うスタイルが基本の様だ。
で、この曲のソロが、まぁカッコいい!
コードを巧みに挟みながら、流れる様なフレーズを紡いでいく。
しかし、気が付くと「もっと弾け!もっと!もっと!」と強く思っているのだ。
ホント、むちゃくちゃカッコいいソロ弾いてんだけど、何故か物足りない様な、
焦らされてる様な気分になるのだ。
何かこう、アヌス辺りが、むず痒い様な気分。
いや、そう云えば、アメリカ国籍の友人Mが中学生の頃、
「正確にはアヌスでは無く、エイナスと発音するのが正しい」と言っていた様な気がする。
どうでもいい話で、すみません。
で、この気分はアルバム最後まで続く。

2曲目もオリジナル。
3拍子の幻想的な曲だが、ここではなんとギターソロらしき物がない。
ベースソロのみだ。
これは、もう焦らしと云うより放置プレーだ。

3曲目はハンドクラップと共に始まるオリジナルのブルース。
しかし、全くブルース臭無し。
柔らかく繊細なピッキングで、
スピード感満載の、ハイパーフレーズを決めまくるソロが、ぶちカッコいい!
しかし、「やっと来たか!とうとう熱く燃えるのか!」と思ってると、ひょいと突き放す。
どうやってもクール。
問答無用のクールさ。
完全無欠のクール。
盆踊りの時、乗りに乗って櫓に上がり「わしにも歌わせろ」と、マイクを握った途端、
「もう終わりです」って冷たく言われた様な感じだ。(ちょっと違うか)
この決して熱くならない、冷たい感じは、ラーゲやマイクモレノ以上かもしれんぞ。

と、思いいつつ次の曲。
スタンダードの、isn't it romantic
ジャズギタートリオらしいストレートな演奏だが、ここでも、まぁ焦らす。
「お前は女王様か!」ってくらい、焦らしに焦らしてんだが、
とにかくカッコいいソロ弾いてらっしゃる。
聴いてると、クシャミが出そうで出ないって感じの、なんとも言えない気分になってくるが、
これが鑑賞2回目以降だんだんと癖になってくるから不思議だ。
女王様に完全に征服されたM男とは、こう云う気分なんだろうか?

空にプカプカ浮いてる様な不思議なムードの5曲目。
これもオリジナルだが、またもギターソロがない。
ベースがテーマらしき物を弾いて、ドラムが効果音的に色々やって、
ギターは淡々とコードを弾いてるだけ。
2曲カッコいいソロが続いたので、ここでまた、お預けと云う事だろう。

6曲目。
ガーシュインの how long has this been going on?
お互いの息遣いまで合ってる様な、三人のインタープレイが凄い。
まるでキースのスタンダーズみたいだと言ったら言い過ぎか?
しかし、ぶちカッコいいぞ!
ベースのウォーキングと共に「ガツンと来るか!」と思ったら、またもはぐらかし、
焦らされ悶えるわしをジッと観察してるって感じのプレイだ。
しかし、コレがはまる!

ゆ~ったりとした、夢の中の様な7曲目。
なんと、なんとぉ!
またもや、ギターソロなし!
これは何だ?
ギタリストのリーダーアルバムで、しかもデビュー盤で、これは何だ?
お預け多すぎないか?

8曲目、民族性を感じるテーマを持つタイトルチューンのenchanted sun
やっぱり、この男只者じゃない!
まぁ、上手い!
ソロ中盤、倍テンになってからのカッコいい事!
あぁ、こんな人が無名で居たなんて世界は恐ろしいな。
まぁ、凄いわ。
これは、結構熱いかな。

はい!
そして、ラストもオリジナル。
これも、なんとなくメセニーが演ってそうな牧歌的な曲。
とにかく、ここでも随所に凄いテクニック覗かせながら、しっかりと焦らしてくれる。
そして、焦らされ悶絶するわしを、化学者の様な目で見ている。
ひどい奴だ。

全9曲の内、3曲ソロなし!
焦らせれまくりの48分。
そう、このアルバム、全部で48分32秒しかないのだ!
LP時代じゃあるまいし、たったの48分ってのは無いだろ!
もっと弾いて欲しいのにすぐ終わる。
もっと、もっと聴きたいのにあっさり終わる。
ある意味一番の焦らしは、この収録時間かもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とにかく、コンテンポラリー系ジャズギターが好きな人はハマるはず!
コレね!



最後まで読んで下さってありがとうございます!
最近またもや、「何も書く気がせん!」状態になっております。
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COMMENT

最近ピーター・バーンスタインと"Sandu"を演奏している動画がアップされてましたが、タイムの正確さにはホント驚きましたw
2013/08/20(火) 19:27:09 |URL|seco #- [EDIT]
こんばんは

これ、手を出すべきか、否か、迷いに迷ったあげく
手を出さなかったんですが、
やっぱ、一度聴かんといかんようですねぇ。

種市の種まきが始まりそうな気配、すんぱいだぁ!
2013/08/20(火) 19:30:31 |URL|J works #- [EDIT]
secoさん、それ僕も見ました!
えらいカッコよかったですね。
やっぱり、この人、要チェックですよ。
2013/08/21(水) 05:13:27 |URL|ガーシャ #- [EDIT]
J worksさん、どうも。
コレ是非聴いて下さい!
僕的にはかなりハマってます。
新たな才能発見と言っていいでしょう。

種市の件は、水口に期待するしかないべぇ!
あの男の下半身の暴走だけは止めてけろぉ!
2013/08/21(水) 05:19:08 |URL|ガーシャ #- [EDIT]

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